ドイツの祝日・休日: 日本との違いと旅行の注意点
ドイツの祝日は、日本の常識が通用しません。以下、ドイツ旅行前に知っておきたい、州ごとに異なるユニークな祝日事情を解説します。
ドイツの祝日を理解する上で最も重要な点は、日本のように全国一律ではないことです。ドイツ連邦共和国は16の「州」から構成されており、祝日の多くは各州の法律に基づいて個別に定められています。このため、バイエルン州では祝日でも、隣のヘッセン州では平日ということが頻繁に起こります。
日本とのこの大きな違いは、ドイツの歴史に深く根ざしています。中世から多くの領邦(小さな国)に分かれていたドイツは、1871年のドイツ帝国成立後も、そして現在のドイツ連邦共和国においても、各州が強い自治権を持つ連邦制の国家です。この構造が、祝日制定における各州の独立性を生み出しています。また、歴史的な宗教対立も影響しており、カトリック信者が多い州では祝日が比較的多く、プロテスタント信者が多い州では少ない傾向があります。
たとえば、祝日が最も少ない州(ベルリン州やブレーメン州など)では、年間10日です。一方、カトリック系の祝日が多いバイエルン州では、年間13日となり、さらに一部の自治体では14日にもなります。年間で3〜4日も祝日の日数が違うため、労働者の間では不公平感を感じる人もいるようです。しかし、この違いはドイツの歴史的な連邦制と宗教的背景に根ざしたものであり、現在の制度として定着しています。
現在、ドイツの連邦法で定められた唯一の祝日は、10月3日のドイツ統一記念日のみです。これ以外の祝日はすべて各州が個別に定めていますが、2025年に全州で共通して祝われるのは以下の9つの祝日です。
- 2025年1月1日(水):元旦
- 2025年4月18日(金):聖金曜日(復活祭金曜日)
- 2025年4月21日(月):復活祭後の聖月曜日
- 2025年5月1日(木):労働者の日(メーデー)
- 2025年5月29日(木):キリスト昇天祭
- 2025年6月9日(月):聖霊降臨祭の翌日
- 2025年10月3日(金):ドイツ統一記念日
- 2025年12月25日(木):クリスマス第1日
- 2025年12月26日(金):クリスマス第2日
これらの祝日には、日付が毎年変わる「移動祝日」と、日付が固定されている「固定祝日」が混在しています。したがって、ドイツの祝日リストは、年によって変動する可能性があります。
ドイツに振替休日制度はあるか
ドイツの祝日制度には、日本のような「振替休日」の習慣はありません。祝日が土曜日や日曜日と重なった場合でも、翌月曜日が休日になることはありません。このため、週末に祝日が重なると、休日が1日減ってしまうことになります。
日曜・祝日の商業施設の休業
ドイツでは企業や官公庁を中心に週休2日制が普及しており、土曜日と日曜日はほとんどの商業施設やサービス機関が休業となります。祝日も同様で、多くのショップ、デパート、スーパーマーケットは閉まります。これは日曜日の規制とほぼ同じです。旅行者の多くが「祝日や日曜はまるでゴーストタウンのようだ」と驚くほどです。ただし、空港や主要駅構内のショップやベーカリーは例外的に営業していることが多いため、完全に買い物ができないわけではありません。
祝日が旅行に与える影響
ドイツの祝日は、旅行者の行動に大きな影響を与えます。
- 飲食店: レストランやカフェも閉店するところが少なくありませんが、観光地の中心部や主要駅周辺では営業している店も多く見られます。事前の確認が欠かせません。
- 観光名所: 美術館や博物館、城などの観光名所については、祝日でも特別開館している場合があります。事前に公式ウェブサイトで開館情報を確認することが重要です。
- 公共交通機関: 鉄道やバスなどの公共交通機関は通常通り運行していますが、休日のダイヤ(本数が少ない)となることが一般的です。特に地方では、運行本数が大幅に減ることがあるため、移動計画は余裕をもって立てましょう。なお、ドイツ鉄道の公式アプリ「DB Navigator」は、リアルタイムの運行情報や時刻表を確認できるため、旅行の強い味方です。ドイツ鉄道の公式サイトDeutsche Bahn(ドイチェ・バーン)からアプリの情報をご確認ください。
旅のアドバイス
ドイツを訪れる際は、滞在先の州の祝日を事前に調べておくことが不可欠です。祝日を避けて移動日を調整したり、祝日を美術館巡りや静かな散策に充てるなど、計画を立てることでスムーズな旅を楽しめます。
日本とドイツとの時差、サマータイム
ドイツは中央ヨーロッパ時間(CET)を採用しています。日本との時差は8時間の時差です。日本の午後17:00がドイツの午前09:00となります。
また、ドイツはサマータイムを採用しているため、サマータイム期間中の日本との時差は7時間となります。日本の午後16:00がドイツの午前09:00となります。
2025年にサマータイムが実施されるのは2025年3月30日(日)~2025年10月26日(日)の期間です。
正確には2025年3月30日(日)2時0分に時計の針を1時間進めて3時0分にします。そして2025年10月26日(日)3時0分に時計の針を1時間戻して2時0分にします。
2026年にサマータイムが実施されるのは2026年3月29日(日)〜2026年10月25日(日)の期間です。
正確には2026年3月29日(日)2時0分に時計の針を1時間進めて3時0分にします。そして2026年10月25日(日)3時0分に時計の針を1時間戻して2時0分にします。
2025年ドイツの祝日/休日/記念日/イベント/お祭りカレンダー
以下に、2025年のドイツの祝日と、ドイツ社会にとって重要な主要なお祭りやイベント行事をまとめました。ドイツ旅行にお役立てください。
※赤字がドイツ全土の祝日です。
※オレンジ色が州の祝日です。
- 2025年1月1日(水)元旦 / Neujahrstag
- 前年の大晦日から、ドイツ全土でカウントダウンイベントが繰り広げられ、年が明けると盛大に花火が打ち上げられます。ことにベルリンのカウントダウン・イベントが有名です。1月2日からは平常通りになります。
- 2025年1月6日(月)公現祭(三王来朝) / Heilige Drei Könige
-
新約聖書に出てくる「東方の三博士(三賢者)」が幼子イエスのもとを来訪したことを祝う日です。ドイツでは子供たちが博士に扮して家々を回り、賛美歌を歌いながら寄付を募る伝統があります。
バイエルン州、バーデン・ヴュルテンベルク州、ザクセン・アンハルト州の祝日です。 - 2025年2月13日(木)~2月23日(日)ベルリン国際映画祭 / Berlinale
- 毎年2月にベルリンで開催される、世界三大映画祭の一つです。世界中の映画関係者や映画ファンが集まり、多くの作品が上映されます。一般の観客もチケットを購入して鑑賞できるため、最新の映画文化に触れる良い機会です。
- 2025年2月27日(木)~3月4日(火)謝肉祭 / Karneval / Fasching
- 2025年2月27日(木)から3月4日(火)にかけて、ドイツ各地で謝肉祭が開催されます。カトリックでは、復活祭前の40日間の四旬節に肉を断つため、その直前の約一週間を賑やかに祝う習慣があります。ことに3月3日の「薔薇の月曜日」(Rosenmontag)から3月4日の「謝肉祭の火曜日」(Faschingsdienstag)にかけては、盛大にお祝いします。多くの町で大々的に仮装パレードが行なわれ、菓子や紙吹雪などを投げる習慣があります。ケルン、デュッセルドルフ、マインツでは盛大なパレードが行われることで知られています。各都市の中心部では交通規制が敷かれ、非常に混雑します。
- 2025年3月8日(土)国際女性の日 / Internationaler Frauentag
- ドイツの社会主義者、クララ・ツェトキンが1910年にコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で、「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念日として提唱した日です。ベルリン州とメクレンブルク・フォアポンメルン州の祝日です。
- 2025年4月18日(金)聖金曜日(復活祭金曜日) / Karfreitag
- 復活祭前の金曜日が聖金曜日で、「受難日」「受苦日」とも呼ばれます。イエス・キリストの受難と死を記念する日です。ドイツではこの日、静かに過ごすことが重視され、公的な娯楽や大きなイベントは控えられます。カトリック教会では福音書の記述をもとにイエスの受難を思い起こす特別な典礼や祈りが行われます。
- 2025年4月20日(日)復活祭(イースター)/ Ostersonntag
- 復活祭(イースター)は、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目によみがえったことを記念する日で、キリスト教の典礼暦における最重要祝日です。ドイツでは、新たな生命や多産の象徴として、うさぎと卵が文化的なシンボルとして使われます。家族揃って、肉料理、卵料理、ケーキやパンなど豪華な食事を楽しみます。復活祭は、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日に祝うため、年によって日付が変わる移動祝日です。
- 2025年4月21日(月)復活祭後の聖月曜日 / Ostermontag
- 復活祭の翌日の月曜日は、いわゆるイースター・マンデーとしてドイツ全土で祝日となっています。多くの人々が家族や友人と過ごしたり、旅行に出かけたりする日です。この日はイースターの雰囲気を引き続き楽しむための休日とされています。
- 2025年5月1日(木)労働者の日(メーデー)/ Tag der Arbeit
- 毎年5月1日は、世界各地で春の訪れを祝う日、あるいは労働者による祭典が開かれます。ドイツでも国の祝日となっており、多くの都市で労働組合によるデモや集会が行われる一方、メーデーのポールを立てる伝統的なお祭りも各地で見られます。
- 2025年5月29日(木)キリスト昇天祭 / Christi Himmelfahrt
- 復活祭から40日後の木曜日にキリストが昇天したことを祝う日です。キリスト教カトリックの典礼暦の中では最も大きな祝いの一つで、教派を超えて広範に祝われます。ドイツでは、この日が「父の日」としても知られており、男性グループがハイキングに出かけ、ビールを飲む習慣があります。
- 2025年6月8日(日)ペンテコステ(聖霊降臨祭)/ Pfingstsonntag
-
復活祭から7週間目の日曜日に、イエスの復活・昇天後、祈っていた信徒たちの上に聖霊が降ったことを記念する日です。日本では五旬節、五旬祭とも呼ばれています。
※この日は日曜日ですが、法的に「祝日」として定められているのはブランデンブルク州のみです。 - 2025年6月9日(月)聖霊降臨祭の翌日 / Pfingstmontag
- 復活祭から7回目の月曜日となる聖霊降臨祭の翌日の月曜日は、ドイツ全土の祝日となっています。多くのドイツ人が週末からこの日までを連休として過ごすため、旅行や休暇に利用されることが多い日です。
- 2025年6月19日(木)聖体祭 / Fronleichnam
-
聖体祭は、カトリック教会でイエス・キリストの聖体を崇める日です。この日は、多くのカトリック地域で華やかなミサや、聖体を捧げ持って練り歩く行列(聖体行列)が行われます。
バイエルン州、バーデン・ヴュルテンベルク州、ヘッセン州、ノルトライン・ヴェストファーレン州、ラインラント・プファルツ州、ザールラント州で祝日となります。 - 2025年8月8日(金)アウクスブルク市の平和祭 / Augsburger Friedensfest
-
かつて神聖ローマ帝国時代の1618年から1648年に戦われた30年戦争が終了したことを記念する日です。特に宗教的な対立が激しかったアウクスブルク市では、1650年以降、平和の尊さを思い起こす祝祭として毎年お祝いされています。
バイエルン州アウクスブルク市の祝日となっています。 - 2025年8月15日(金)聖母マリア被昇天祭 / Maria Himmelfahrt
-
カトリックで聖母マリアがその人生の終わりに肉体と霊魂を伴って天国にあげられた事を記念する祝日です。この教義は1950年に当時のローマ教皇ピオ12世によって正式に定められました。ドイツでは、カトリック信者が多い地域で重要な祝日となっています。
バイエルン州とザールラント州で祝日です。 - 2025年9月20日(土)~10月5日(日) オクトーバーフェスト / Oktoberfest
- 毎年秋にミュンヘンで開催される、世界最大級のビール祭りです。期間中は国内外から数百万人が訪れ、巨大なビールテントでの飲酒や食事、伝統衣装の着用、移動遊園地など、ドイツの国民文化を体験できます。
- 2025年9月26日(金)~10月12日(日) カンシュタット・フォルクスフェスト / Cannstatter Volksfest
- シュトゥットガルトでオクトーバーフェストとほぼ同時期に開催される、ドイツで二番目に大きな民俗祭りです。こちらもビールテントや移動遊園地があり、地元の雰囲気をより強く感じることができます。
- 2025年9月下旬 ベルリンマラソン / Berlin Marathon
- 毎年9月下旬に開催される、世界最大級のマラソン大会です。ブランデンブルク門をゴールとするコースは、ベルリンの主要な観光名所を巡るため、ランナーにとっても観客にとっても特別な体験となります。
- 2025年9月20日(土)世界こどもの日 / Weltkindertag
- 国連が定めた、すべての子どもが生まれながらに持っている権利を再認識する日です。一般的には11月20日ですが、テューリンゲン州のみが祝日として定めています。この日は、子どもたちの権利を守るためのイベントや集会が開催されます。
- 2025年10月3日(金)ドイツ統一記念日 / Tag der Deutschen Einheit
- 1990年10月3日に東西ドイツが再統一したことを記念する日で、ドイツ連邦共和国の建国記念日となっています。毎年、統一記念日を祝う公式行事が国内のいずれかの都市で盛大に開催され、全国から多くの人々が集まります。
- 2025年10月31日(金)宗教改革記念日 / Reformationstag
-
マルティン・ルターが1517年にヴィッテンベルクの教会で95か条の論題を発表し、宗教改革を始めたことを記念する祭日です。ドイツをはじめ多くの国のプロテテスタント教会で、10月31日の直前の日曜日に宗教改革記念日礼拝が行なわれます。
ブランデンブルク州、ブレーメン州、ハンブルク州、メクレンブルク・フォアポンメルン州、ニーダーザクセン州、ザクセン州、ザクセン・アンハルト州、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州、テューリンゲン州の祝日です。 - 2025年11月1日(土)諸聖人の日 / Allerheiligen
-
キリスト教で全ての聖人と殉教者を記念する祝日です。「万聖節」とも言われています。カトリックが盛んな地域では、多くの人々が墓地を訪れて死者を悼み、ろうそくを灯す習慣があります。
バイエルン州、バーデン・ヴュルテンベルク州、ノルトライン・ヴェストファーレン州、ラインラント・プファルツ州、ザールラント州の祝日です。 - 2025年11月19日(水)贖罪の日 / Buß- und Bettag
-
罪を悔い改めて神の道に心を向けるプロテスタントの祭日です。11月23日直前の水曜日が贖罪の日となります。ドイツでは、この日は公的な行事や集会を避け、静かに過ごすことが推奨されています。
ザクセン州では祝日となっています。 - 11月下旬~12月24日 クリスマスマーケット / Weihnachtsmarkt
- クリスマス前の約4週間(アドヴェント期間)にドイツ各地で開催される伝統的なマーケットです。ドイツの冬の風物詩であり、最も多くの観光客が訪れる時期です。中世の街並みに並ぶ屋台でグリューワイン(ホットワイン)や焼きソーセージを楽しみ、クリスマスオーナメントや手工芸品を探すことができます。
- 2025年12月25日(木)クリスマス第1日 / 1. Weihnachtstag
- ドイツでは、一般に11月最後の週末からクリスマスの準備期間に入り、ドイツ各地でクリスマス・デコレーションに彩られたクリスマス・マーケットが登場します。クリスマス前後は帰省ラッシュとなり、移動交通機関は大変、混雑します。旅行者の方は移動に注意が必要です。
- 2025年12月26日(金)クリスマス第2日 / 2. Weihnachtstag
- 12月26日(金)もクリスマス第2日としてドイツ全土で祝日となります。多くの人々が家族や親戚を訪れ、ごちそうを囲んで団らんを楽しむ大切な日です。
- 2025年12月31日(水)大晦日 / Silvester
- 大晦日の12月31日は祝日ではありませんが、企業・商店の多くはお休み、あるいは営業時間を短縮します。新年の到来を祝う花火が各地で打ち上げられ、友人や家族とパーティーを楽しむのが一般的です。
2026年ドイツの祝日/休日/記念日/イベント/お祭りカレンダー
以下、2026年のドイツの祝日と、ドイツ社会にとって重要な主要なお祭りやイベント行事をまとめました。
なお、2026年にドイツ全土で祝日となるのは、2025年と同じく9日間です。日付と曜日は年によって変わりますが、祝日として定められている日(何の日を祝うか)は同じです。
ドイツ全土で祝日となる9つの日は以下の通りです。
- 2026年1月1日(木):元旦
- 2026年4月3日(金):聖金曜日(復活祭金曜日)
- 2026年4月6日(月):復活祭後の聖月曜日
- 2026年5月1日(金):労働者の日(メーデー)
- 2026年5月14日(木):キリスト昇天祭
- 2026年5月25日(月):聖霊降臨祭の翌日
- 2026年10月3日(土):ドイツ統一記念日
- 2026年12月25日(金):クリスマス第1日
- 2026年12月26日(土):クリスマス第2日
※赤字がドイツ全土の祝日です。
※オレンジ色が州の祝日です。
- 2026年1月1日(木)元旦 / Neujahrstag
- 前年の大晦日から、ドイツ全土でカウントダウンイベントが繰り広げられ、年が明けると盛大に花火が打ち上げられます。ことにベルリンのカウントダウン・イベントが有名です。1月2日からは平常通りになります。
- 2026年1月6日(火)公現祭(三王来朝) / Heilige Drei Könige
-
新約聖書に出てくる「東方の三博士(三賢者)」が幼子イエスのもとを来訪したことを祝う日です。ドイツでは子供たちが博士に扮して家々を回り、賛美歌を歌いながら寄付を募る伝統があります。日本では「公現祭」とも呼ばれます。
バイエルン州、バーデン・ヴュルテンベルク州、ザクセン・アンハルト州の祝日です。 - 2026年2月上旬~中旬 ベルリン国際映画祭 / Berlinale
- 毎年2月にベルリンで開催される、世界三大映画祭の一つです。世界中の映画関係者や映画ファンが集まり、多くの作品が上映されます。一般の観客もチケットを購入して鑑賞できるため、最新の映画文化に触れる良い機会です。
- 2026年2月12日(木)~2月17日(火)謝肉祭 / Karneval / Fasching
- 2026年2月12日(木)から2月17日(火)にかけて、ドイツ各地で謝肉祭が開催されます。カトリックでは、復活祭前の40日間の四旬節に肉を断つため、その直前の約一週間を賑やかに祝う習慣があります。ことに2月16日の「薔薇の月曜日」(Rosenmontag)から2月17日の「謝肉祭の火曜日」(Faschingsdienstag)にかけては、盛大にお祝いします。多くの町で大々的に仮装パレードが行なわれ、菓子や紙吹雪などを投げる習慣があります。ケルン、デュッセルドルフ、マインツでは盛大なパレードが行われることで知られています。各都市の中心部では交通規制が敷かれ、非常に混雑します。
- 2026年3月8日(日)国際女性の日 / Internationaler Frauentag
- ドイツの社会主義者、クララ・ツェトキンが1910年にコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で、「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念日として提唱した日です。ベルリン州の祝日です。
- 2026年4月3日(金)聖金曜日(復活祭金曜日) / Karfreitag
- 復活祭前の金曜日が聖金曜日で、「受難日」「受苦日」とも呼ばれます。イエス・キリストの受難と死を記念する日です。ドイツではこの日、静かに過ごすことが重視され、公的な娯楽や大きなイベントは控えられます。カトリック教会では福音書の記述をもとにイエスの受難を思い起こす特別な典礼や祈りが行われます。
- 2026年4月5日(日)復活祭(イースター)/ Ostersonntag
- 復活祭(イースター)は、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目によみがえったことを記念する日で、キリスト教の典礼暦における最重要祝日です。ドイツでは、新たな生命や多産の象徴として、うさぎと卵が文化的なシンボルとして使われます。家族揃って、肉料理、卵料理、ケーキやパンなど豪華な食事を楽しみます。復活祭は、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日に祝うため、年によって日付が変わる移動祝日です。
- 2026年4月6日(月)復活祭後の聖月曜日 / Ostermontag
- 復活祭の翌日の月曜日は、いわゆるイースター・マンデーとしてドイツ全土で祝日となっています。多くの人々が家族や友人と過ごしたり、旅行に出かけたりする日です。この日はイースターの雰囲気を引き続き楽しむための休日とされています。
- 2026年5月1日(金)労働者の日(メーデー)/ Tag der Arbeit
- 毎年5月1日は、世界各地で春の訪れを祝う日、あるいは労働者による祭典が開かれます。ドイツでも国の祝日となっており、多くの都市で労働組合によるデモや集会が行われる一方、メーデーのポールを立てる伝統的なお祭りも各地で見られます。
- 2026年5月14日(木)キリスト昇天祭 / Christi Himmelfahrt
- 復活祭から40日後の木曜日にキリストが昇天したことを祝う日です。キリスト教カトリックの典礼暦の中では最も大きな祝いの一つで、教派を超えて広範に祝われます。ドイツでは、この日が「父の日」としても知られており、男性グループがハイキングに出かけ、ビールを飲む習慣があります。
- 2026年5月24日(日)ペンテコステ(聖霊降臨祭)/ Pfingstsonntag
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復活祭から7週間目の日曜日に、イエスの復活・昇天後、祈っていた信徒たちの上に聖霊が降ったことを記念する日です。日本では五旬節、五旬祭とも呼ばれています。
※この日は日曜日ですが、法的に「祝日」として定められているのはブランデンブルク州のみです。 - 2026年5月25日(月)聖霊降臨祭の翌日 / Pfingstmontag
- 復活祭から7回目の月曜日となる聖霊降臨祭の翌日の月曜日は、ドイツ全土の祝日となっています。多くのドイツ人が週末からこの日までを連休として過ごすため、旅行や休暇に利用されることが多い日です。
- 2026年6月4日(木)聖体祭 / Fronleichnam
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聖体祭は、カトリック教会でイエス・キリストの聖体を崇める日です。この日は、多くのカトリック地域で華やかなミサや、聖体を捧げ持って練り歩く行列(聖体行列)が行われます。
バイエルン州、バーデン・ヴュルテンベルク州、ヘッセン州、ノルトライン・ヴェストファーレン州、ラインラント・プファルツ州、ザールラント州で祝日となります。 - 2026年8月8日(土)アウクスブルク市の平和祭 / Augsburger Friedensfest
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かつて神聖ローマ帝国時代の1618年から1648年に戦われた30年戦争が終了したことを記念する日です。特に宗教的な対立が激しかったアウクスブルク市では、1650年以降、平和の尊さを思い起こす祝祭として毎年お祝いされています。
バイエルン州アウクスブルク市の祝日となっています。 - 2026年8月15日(土)聖母マリア被昇天祭 / Maria Himmelfahrt
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カトリックで聖母マリアがその人生の終わりに肉体と霊魂を伴って天国にあげられた事を記念する祝日です。この教義は1950年に当時のローマ教皇ピオ12世によって正式に定められました。ドイツでは、カトリック信者が多い地域で重要な祝日となっています。
バイエルン州とザールラント州で祝日です。 - 2026年9月下旬~10月上旬 オクトーバーフェスト / Oktoberfest
- 毎年秋にミュンヘンで開催される、世界最大級のビール祭りです。期間中は国内外から数百万人が訪れ、巨大なビールテントでの飲酒や食事、伝統衣装の着用、移動遊園地など、ドイツの国民文化を体験できます。
- 2026年9月下旬~10月上旬 カンシュタット・フォルクスフェスト / Cannstatter Volksfest
- シュトゥットガルトでオクトーバーフェストとほぼ同時期に開催される、ドイツで二番目に大きな民俗祭りです。こちらもビールテントや移動遊園地があり、地元の雰囲気をより強く感じることができます。
- 2026年9月下旬 ベルリンマラソン / Berlin Marathon
- 毎年9月下旬に開催される、世界最大級のマラソン大会です。ブランデンブルク門をゴールとするコースは、ベルリンの主要な観光名所を巡るため、ランナーにとっても観客にとっても特別な体験となります。
- 2026年9月20日(日)世界こどもの日 / Weltkindertag
- 国連が定めた、すべての子どもが生まれながらに持っている権利を再認識する日です。一般的には11月20日ですが、テューリンゲン州のみが祝日として定めています。この日は、子どもたちの権利を守るためのイベントや集会が開催されます。
- 2026年10月3日(土)ドイツ統一記念日 / Tag der Deutschen Einheit
- 1990年10月3日に東西ドイツが再統一したことを記念する日で、ドイツ連邦共和国の建国記念日となっています。毎年、統一記念日を祝う公式行事が国内のいずれかの都市で盛大に開催され、全国から多くの人々が集まります。
- 2026年10月31日(土)宗教改革記念日 / Reformationstag
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マルティン・ルターが1517年にヴィッテンベルクの教会で95か条の論題を発表し、宗教改革を始めたことを記念する祭日です。ドイツをはじめ多くの国のプロテテスタント教会で、10月31日の直前の日曜日に宗教改革記念日礼拝が行なわれます。
ブランデンブルク州、ブレーメン州、ハンブルク州、メクレンブルク・フォアポンメルン州、ニーダーザクセン州、ザクセン州、ザクセン・アンハルト州、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州、テューリンゲン州の祝日です。 - 2026年11月1日(日)諸聖人の日 / Allerheiligen
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キリスト教で全ての聖人と殉教者を記念する祝日です。「万聖節」とも言われています。カトリックが盛んな地域では、多くの人々が墓地を訪れて死者を悼み、ろうそくを灯す習慣があります。
バイエルン州、バーデン・ヴュルテンベルク州、ノルトライン・ヴェストファーレン州、ラインラント・プファルツ州、ザールラント州の祝日です。 - 2026年11月18日(水)贖罪の日 / Buß- und Bettag
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罪を悔い改めて神の道に心を向けるプロテスタントの祭日です。11月23日直前の水曜日が贖罪の日となります。ドイツでは、この日は公的な行事や集会を避け、静かに過ごすことが推奨されています。
ザクセン州では祝日となっています。 - 11月下旬~12月24日 クリスマスマーケット / Weihnachtsmarkt
- クリスマス前の約4週間(アドヴェント期間)にドイツ各地で開催される伝統的なマーケットです。ドイツの冬の風物詩であり、最も多くの観光客が訪れる時期です。中世の街並みに並ぶ屋台でグリューワイン(ホットワイン)や焼きソーセージを楽しみ、クリスマスオーナメントや手工芸品を探すことができます。
- 2026年12月25日(金)クリスマス第1日 / 1. Weihnachtstag
- ドイツでは、一般に11月最後の週末からクリスマスの準備期間に入り、ドイツ各地でクリスマス・デコレーションに彩られたクリスマス・マーケットが登場します。クリスマス前後は帰省ラッシュとなり、移動交通機関は大変、混雑します。旅行者の方は移動に注意が必要です。
- 2026年12月26日(土)クリスマス第2日 / 2. Weihnachtstag
- 12月26日(土)もクリスマス第2日としてドイツ全土で祝日となります。多くの人々が家族や親戚を訪れ、ごちそうを囲んで団らんを楽しむ大切な日です。
- 2026年12月31日(木)大晦日 / Silvester
- 大晦日の12月31日は祝日ではありませんが、企業・商店の多くはお休み、あるいは営業時間を短縮します。新年の到来を祝う花火が各地で打ち上げられ、友人や家族とパーティーを楽しむのが一般的です。